Tfasを覚えたいのに時間が無いと先送りにされておられる方々へ、これだけは知っておきたいと思われるTfasの使い方を動画にしてみました。
今回はタイトルにも有る様に、Tfasを使って計装図面を作図する際のケーブルラックについてです。
いきなり作業しても時間ばかりがかかってしまいますので、ケーブルラックについてはこちらの動画をご覧になって参考にして頂けると良いでしょう。
ケーブルラックの作図と編集の動画内容
慣れないcadを使っての作業は、忙しい方にとっては大変面倒なものです。
そこで、解りやすくするために簡単な動画を作ってみました。
この動画の内容は次の通りです。
- ケーブルラックの作図方法
- 3Dの確認方法
- ケーブルラックの編集方法
- 寸法記入とラック位置の調整方法
- インサートの記入
これらについてご説明していますので、作図にお役立てください。
ここでのご説明は一般的な操作のみとなりますが、作図と3Dを同時に見ながら調整していきます。
動画だけでは解らないことが御座いましたら、こちらよりご連絡ください。
内容によっては有料となる場合もございます。
ケーブルラックの作図と編集の動画
こちらがケーブルラックの作図と編集についての動画です。(51:44)
ケーブルラックの作図は最初からきれいに書こうと思わずに、まずはざっくりと書いてから取り合いをしながら位置を決めていかれると良いと思います。
ケーブルラックの作図と編集の動画説明
ここではケーブルラックの作図と編集の動画の内容について簡単にご説明しておきます。
先にもお伝えしたように、動画内で説明しています下記の5つに分けてお伝えします。
- ケーブルラックの作図方法
- 3Dの確認方法
- ケーブルラックの編集方法
- 寸法記入とラック位置の調整方法
- インサートの記入
ケーブルラックの作図をする場合には、取り合いも御座いますので3Dデータが必要です。
設備機器などを取り出すのに分解をしてしまった場合には、別のシートに分解前のものを持ってきておくことをお勧めします。
シート名称も3D設備機器などとしておけば解りやすいと思います。
ケーブルラックの作図方法
動画内03:30辺りからになります。
今回のサンプルではインサートが記入されているのは1Fのみですので、1Fを使ってやってみます。
この1Fにのみインサートが有る事も、3Dでの確認で解りました。
ケーブルラックの作図の時には3Dの確認をしながらの作業になります。
3Dにする方法は、Tfasビューアでやられていると思いますがほとんど同じ操作となります。
右上部の青字の3Dをクリックすれば3Dにしたい部分の選択画面が現れますので囲ってエンターで出来ます。
この時に場所を囲わずに全体とやってしまうと3D表示されるのに非常に時間がかかってしまいますので、部分でやる事をお勧めします。
ケーブルラックを作図する図面が用意出来ましたら、早速書いていきます。
ここからは動画内05:55辺りからになります。
最初にケーブルラックを作図するシートを作成します。
シートの作成はシート作成と分類作成で詳しくご説明していますので参考にされてください。
レイヤーも計装ラックと等の電気ラックとは別に作っておきたいです。
レイヤーの作成についてはレイヤー作成とレイヤーの変更方法で詳しくご説明していますので参考にされてください。
シートとレイヤーが出来ましたら、図面全体を眺めて盤からのラックのルートをざっくりと頭に描いてみましょう。
続いて、ケーブルラックの基準となるレベルを調べます。
今回では、盤から天井に出ていくところの設備配管に当たらないレベルを探します。
3Dにして確認していきますが、横引きラックを作図の後に、盤からの縦ラックも作図しますので盤の天端レベルもついでに確認しておきましょう。
3Dでのレベルなどの情報は、平面での確認と同様に3Dの下に有る図形情報表示をクリックしてからシフトを押しながら対象のオブジェクトをクリックします。
図形情報が開きますので、基本では無くて部品の中に盤のサイズが書かれています。
盤の後に、目の前の設備配管のレベルも確認します。
設備配管の場合は部品では無くて部材になりますが、3Dでは無くて平面の図形情報でも同様に出来ます。
その状況に応じて使いやすい方を使ってください。
設備配管の部材のレベルが出ましたね。
上端が2650位ですのでこの上にケーブルラックのを通すようにします。
ここからは動画内011:20辺りからになります。
ラック幅300、高さ70そしてFL+2800(下端)でまずは引いてみましょう。
上部にあるダクト・ラック・ルーティングのボタンをクリックします。
すぐ下にラックのサイズ等を記入するところが出ます。
ここでは最初のところをラックを選び、次を中心にします。
W:300,H:70,FL:2800そして分岐は外直角L型で内側をRにしておきます。
ラックの色などは右側の詳細で出来ます。
基準レベルも設定できますので、一番使うレベルがわかった段階で基準レベルを設定しておくと良いでしょう。
上部の角度は30,45°にしておくと良いです。
これでラックの設定が出来ましたので、いよいよ書いていきますね。
盤のところでクリックしてカーソルを動かすとラックが書けます。
曲げるところで左のクリックをして、カーソルを動かしていきますが、直線距離が短いとL型が入らない為に曲げることが出来ません。
引きたいところまで行きましたら最後は左クリックしてからエンターで確定します。
これで幅300高さ70そしてレベルFL+2800(ラック下端)のラックが書けました。
ラックの注釈も入っています。
3Dの確認方法
動画内13:50辺りからになります。
3Dで今書いたケーブルラックがどんな感じかを確認してみましょう。
3D表示を閉じてしまった場合は、再度右上部の青字の3Dをクリックして、表示部分を選択して3Dを表示します。
3D画面の操作としては、マウスのホイールをクルクルすると拡大、縮小します。
また、左クリックしたままマウスを動かすと回転します。
まっすぐ前に進みたい時には、キーボードの上矢印を、左右や手前も矢印で動きます。
上手に使って、3D画面を思い通りに動かしてください。
今回の設備図は少ないので目視でもぶつかっているところが解りますが、ここでは干渉検査をしてみます。
ここからは動画内17:30辺りからになります。
3D画面の下にある干渉検査のボタンをクリックすると干渉検査の対象を選択できる窓が開きます。
干渉検査の対象のものにチェックを入れて、干渉結果を赤くしたければ赤く表示するにチェックを入れてから右下の検査開始をクリックします。
干渉結果を赤く表示するにチェックを入れておきますと、ぶつかっているところが赤く表示されます。
込み合った図面の時には使うと解りやすいと思います。
右下の検査開始をクリックしますと窓が変わりますので、右下の2D図面で確認をクリックします。
そうしますとぶつかっている場所が平面に雲マークで表示されます。
窓は一旦閉じてから、ぶつかっている場所を3Dで確認します。
ここではラックと設備配管がぶつかっていますので、図形情報表示で設備配管のレベルを確認します。
設備配管のレベルが芯で2800ですので下端2800のラックとはぶつかっていますね。
ここではラック全体のレベルを2800から2900に変更してみます。
ケーブルラックの編集方法
干渉している部分はラックの編集で回避していきます。
どのように回避するのかはその状況で変わってきますので、周りを見て一番良いと思われる方法を選択してください。
ここでは次の5つの方法をご説明します。
- レベルの変更
- 切断と移動と接続
- 部分的にレベル変更と段差
- 部分的にラック幅の変更
- 縦ラック設置
- コーナーの変更
動画を合わせてご覧いただけると解りやすいと思います。
レベルの変更
動画内19:30辺りからになります。
早速ラック全体のレベルを変更しましょう。
3Dは閉じずに表示のままにしてください。
変更事項が随時反映されて行きますのでその都度確認が出来ます。
上のレベル変更ボタンをクリックしますとレベル変更の横に区間の始点を指示を聞いてきます。
ラックを一番最初に引き始めた箇所をクリックします。
続いて変更する区間の終点と聞いてきますので、ラックの最後をクリックします。
すると上部にレベルを変更する窓が開きますので、2900と入力してOKします。
これでラック全体のレベルが変わりました。
平面の注釈のレベルも2900に代わっていますし、3Dで確認してもラックが上に上がって、先ほどぶつかっていたところが回避されています。
先の干渉部分の対応が終わりましたら、平面の干渉部分の雲マークを消しておきましょう。
ここからは動画内21:20辺りからになります。
これを消すには、平面の上部の干渉チェックボタンをクリックします。
すぐ下の干渉の横にチェックとでますので、これをクリックして図形削除を選択してください。
すると図面内の干渉部分の雲マークが消えます。
続いてラックのレベルを変えたことによって、他の部分で干渉しているところが出ているといけないので、再度干渉チェックをします。
先ほどと同様に3Dの干渉検査をして、2D図面で確認をクリックして平面の雲マークの位置を3Dで確認してください。
干渉部分を赤く表示した場合には、2D図面で確認しなくても直接3Dで修正できます。
どちらでもご自分のやりやすい方で行ってください。
今度はダクトが当たってしまいましたが、レベルを変えるよりも平面的に余裕が有りますので、ラックのルートを変更したいと思います。
切断と移動と接続
動画内22:10辺りからになります。
ラックの途中から位置をずらしたいと思います。
やり方は色々と有るとは思いますが、今回は簡単に出来る方法でやります。
ラックを途中で切断し、片方だけ移動してからつなげることにします。
ラックを切断するにはラックの機能には無いので、一般の編集機能の中の切断を使います。
切断のボタンをクリックしてから切断したいラックをクリックし、確定のエンターをします。
そのまま切りたい部分を二ケ所左クリックで指示します。
この時に上部の角度のところを切りたい方向とは逆になっていないか注意してください。
角度無しにしておくのが間違いないです。
これでラックの切断が出来ました。
続いて切断したラックの移動ですが、ラック機能を使っての移動は思うようにいかないので、右クリックで出てくる一般の移動を使って移動させましょう。
切断したラックから一番先端までを合わせて、角度を水平にして移動させてください。
後で寸法を入れた時に調整をしますので、今のところは目分量で移動させておきます。
移動の方法はシート内移動・複写・削除で詳しく説明していますので参考にされてください。
移動したラックは3Dでダクトにぶつかっていないかを目視でも確認してください。
次は切断したラックを接続しますがラック同士が接近しすぎていますので、少し縮めて間を空けます。
ラックを縦に縮めるには上部のルート移動をクリックし、角度を垂直にしてからラックの先端をクリックしそのままカーソルを任意の位置まで移動させて離します。
これでラックを縮めることが出来ました。
今度は接続ですがこれはラックを書いた時にルーティングとなっていたところに入っているルート接続を選択します。
すぐ下に選択画面が出ますので、中心、分岐:L型、内側:Rにしてからそれぞれのラックの端をクリックしてからエンターです。
これで切断したラックが再度接続されました。
先ほどダクトとぶつかっていた場所は回避できましたので、平面の干渉チェックの図形削除で雲マークを消しておきます。
3Dで確認するといい感じになっています。
他にぶつかっていないかを再度干渉チェックしてください。
また別の位置でぶつかつていますので、今度は部分的にレベルの変更をします。
部分的にレベル変更と段差
動画内27:30辺りからになります。
3D図形情報でぶつかっているダクトのレベルを確認します。
今回は、ダクトの下端とラックが接触していますので、ぶつかっている部分から先のラックのレベルを下に下げてみます。
ダクトの下端のレベルが2925ですので、ラックを2900から2700に変更します。
ラック全体のレベルを変えた時と同様に上部のレベル変更ボタンをクリックします。
次にレベル変更したいラックを指示しますが先に先端をクリックし、続いて途中の位置をクリックします。
上にレベルを変更できる窓が開きますので、ここに2700と入力してOKです。
3Dで確認すると部分的に下がっているのが確認できます。
但し2900と2700の間が垂直になっています。
このままでも問題は有りませんが今回はなだらかにしてみたいと思います。
平面の干渉チェックの雲マークを消すのを忘れないでくださいね。
ではラックの垂直の部分を削除します。
これは一般の右クリックで出てくる削除で消します。
先ほどラックを横にずらして接続した時と同様に上下のラック間をルート移動で広げてからルート接続で接続します。
ルート接続を選択して、設定のところで立下りが90°になっていると垂直になってしまいますので、ここを勾配にします。
角度を付けても出来ますので、色々と試してみてください。
部分的にラック幅の変更
動画内31:40辺りからになります。
干渉とは関係有りませんがここではラックの幅を途中から変更する方法をやってみます。
今レベルを下げましたラックの一部分の幅を300から200にしたいと思います。
今度は上部のサイズ変更ボタンをクリックますと区間を指示と出ますので、始点と終点をクリックします。
するとサイズを入力する窓が開きますのでここで200を選択または入力します。
ラックを見ますと選択した部分の幅が200になって基点をどこにするかで位置が未確定になっています。
上のサイズを入れた左横を中心か外側にするかを選んで良ければエンターをします。
ラックの片方を真直ぐにしたい場合は、外側を選んでください。
3Dでサイズ変更した部分の確認もしてください。
今回は2700に下げたところが配管に当たってたいましたので、サイズ変更した部分も含めて2750に変更しました。
これでラックの部分的サイズ変更は終わりです。
縦ラック設置
動画内35:20辺りからになります。
次は盤の上の縦ラックを作図します。
盤の天端が1800でラックの下端が2900ですので、縦のラックは1800から2800で書いてみます。
ルーティングの中の立て配置を選択します。
ラックの設定が開きますので、幅と高さとレベルを入力します。
今回はW:300,H:70,FL:1800~2800と入力します。
カーソルを図中に移動すると縦のラックがついてきますので、配置したい場所でクリックして向きを確認してからエンターで確定してください。
確定しましたらエスケープを押して終了です。
コーナーの変更
動画内36:40辺りからになります。
柱の角のところがラックの内側がRの為にぶつかりそうですので、直角に変更してみます。
ルーティングの中の属性変更を選択して変更するコーナーのラックをクリックしますと、属性変更の窓が開きます。
その中の分岐を開きますと中に内側コーナー処理が有りますのでここを直角処理にしてOKです。
寸法記入とラック位置の調整方法
動画内37:50辺りからになります。
ラックの寄寸法を記入していきますが、レイヤーは任意のものにしてください。
シートはラックのシートで良いと思います。
ここでは通芯からの寸法を入れていきます。
上部の指定点の寄寸法ボタンをクリックしますと方向を選ぶ窓が開きます。
基本的には水平/垂直を選んでおけば大丈夫だと思います。
次に寸法を書きたいところを続けて左クリックしていきます。
今回はラックの幅と通芯からの寸法です。
全部クリック出来ましたら、一度エンターします。
まだ確定していませんが今度は寸法値を置く位置を決めてもう一度エンターします。
これで寸法入れが完了です。
今回は490と端数が出ていますので、ラックを10 mm移動して切りの良い寸法値にします。
ラックのルート移動を選択してから移動したいラックをクリックします。
上部の角度を確認してから移動距離をX,Yで入力して移動させます。
ここでは横に0で縦に10としたいので上部の窓に0,10と半角で入力して、カーソルを移動したい方向へ動かした状態でエンターします。
ラックは移動しましたが寸法が動いていませんので、今度は寸法値の編集をします。
今度は上部の寸法値変更ボタンを選びますと寸法値を指示してくださいと出ますので、変えたい寸法値をクリックします。
上部に寸法の値を入れるところが出ますので、ここに切りの良い数を入力します。
今回では500と入れてエンターします。
そして寸法にカーソルを近づけると方向を示す矢印が出ますので、カーソルで方向を決めて左のクリックをします。
今回はラック側に矢印を向かせて確定します。
490は500になりましたが、300が290になってしまいました。
290も同様に300に変更します。
先の500にする時に通芯側に向けて確定してから、寸法を移動しても同様の形になります。
その時の状況で判断されてください。
他の箇所も同様に寸法記入とラックの移動をして寸法値の編集をします。
切ってつないだラックはラックのルート移動では動かないこともありますので、接続した部分を1度削除し寄寸法を確定してからつなぐと早いです。
ラックの終点のところでは寸法値がラックの移動に連動しているので、寸法値の編集は不要です。
寸法作業に限らず、操作途中の時に一つ戻りたい時には右クリックの中に有るBackSpaceをクリックしてください。
エスケープを使うと操作自体が取り消されてしまうので、おすすめは出来ません。
インサートの記入方法
動画内48:30辺りからになります。
インサートは私自身は使っていない機能ですので簡単にご説明します。
インサートに関してはツールバーに配置出来るボタンがいくつかありますが、ここでは自動配置ボタンでやってみたいと思います。
ボタンの出し方はツールバーカスタマイズでも詳しくご説明していますが、インサートに関してのボタンは出ていなかったのでこちらでも簡単にご説明します。
上部にある表示の中のツールバーカスタマイズの分類内の電気を選択しますと右側にボタンが出てきます。
真ん中あたりまでスクロールすると自動配置ボタンが有りますので、クリックしたまま配置場所までもっていってください。
操作は簡単です。
自動配置ボタンをクリックして、インサートを書きたいラックを選択しますとインサートの配置する方向の矢印がでますのでカーソルで向きを決めてクリックします。
するとインサートの設定の窓が開きますので、下の設定をクリックします。
インサートの窓の中でインサートの間隔などの細かな設定をしてOKしてエンターでインサートが書けます。
残りの部分のインサートも書いていきます。
ケーブルラックやインサートなどの作図方法はここでご説明している他にもあると思います。
慣れてこられましたら、ご自分に合う操作方法を見つけて作図されてください。
以上でケーブルラックについては終わりとなります。